【温州(中国浙江省)=角谷志保美】中国浙江省の高速鉄道事故で、鉄道省側が犠牲者の遺族に突きつけた賠償金交渉の妥結期限を迎えた31日、遺族の一人が「やむなく」署名した事情を明かした。
「朝には交渉団が引き揚げて交渉できなくなると迫られ、真夜中に署名した」。事故でめい(32)を亡くした福建省福州の40歳代後半の女性は31日、憤りを隠さなかった。
賠償交渉は29日朝から、滞在先の温州のホテルで断続的に行われた。交渉相手は鉄道省や地元福州から来た当局者ら計約10人。犠牲者一律91万5000元(約1100万円)の賠償額の算出方法にも納得していないという。
しかし「今署名しなければ交渉相手がいなくなる」と繰り返し説得され、30日午前1時ごろ、文書に「責任追及の権利は放棄しない」との一文を書き加えた上で署名したという。
(2011年7月31日20時43分 読売新聞)
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