Friday, August 5, 2011

内定取り消し:福島の求人は4割減


内定取り消し:福島の求人は4割減
Aug 5th 2011, 12:16
津波被害や深刻な原発事故が、生徒や学生の「希望する職」を奪っている。
福島県南相馬市の県立小高工業高では11人が内定を取り消された。内定先の企業の多くは福島第1原発事故の警戒区域内にあり、廃業や休業に追い込まれた。幸い全員が新たな就職先を確保したが、進路担当の星輝光教諭(41)は「事故収束の見通しが立たず、来春の就職予定者への求人件数も伸び悩んでいる」と声を落とす。特に地元の企業の求人は例年より4割も落ち込み、3年生の約8割が県外企業への就職を希望しているという。
入社時期を先送りされたいわき市の男性(18)は今春、警備会社に就職して福島第1原発の警備員になる予定だった。だが、原発は大事故に。4月中旬にやっと入社し、東北地方の別の原子力施設で働き始めた。原発関連で働くことを嫌って入社を辞退した同級生はまだ就職先が決まっていないという。
宮城県石巻市の宮城県水産高は、内定を得た68人の4分の1近い14人が取り消しに。津波被害で水産関連の企業が大打撃を受けたためだ。
今の3年生の就職活動がスタートするのは9月中旬。地元からの求人票はほぼない。進路指導部長の高橋昭二教諭(42)は「若い人材が流出し地元の復興がままならなくなるのでは」と懸念する。
状況は大学も同じ。岩手県立大(滝沢村)では、今春の卒業生のうち、併設する盛岡・宮古短期大学部と合わせて3人が内定を取り消された。学生支援室の高舘(たかだて)信雄特命課長は「被災地枠の採用計画を示す企業でも、円高や放射線災害の影響で業績の見通しが悪化すれば、採用枠がなくなる事態も懸念される」と、新たな「取り消し現象」を警戒する。石巻市にある石巻専修大学も、把握しているだけで4人が取り消し。うち2人は職に就いたが、2人は12年卒予定の学生と一緒に今も就職活動を続けているという。【神保圭作、福田隆、遠藤拓、町田徳丈】

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