近年、日本映画の国際的評価が高まっており、「おくりびと」(2008年・滝田洋二郎監督)が、第81回米アカデミー賞で外国語映画賞に輝き、「悪人」(2010年・李相日監督)の出演女優・深津絵里は第34回モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞。また、松本人志監督の第1回作品「大日本人」は、ハリウッドでリメークされることが決定した。なぜ日本映画は国内外で人気が高まったのか、最近のヒット作の潮流や、作品の質向上に関するさまざまな意見を収集。
世界で高い評価を受けた理由は
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扇谷勉(NHK解説委員室ブログ) | スタジオパーク「日本映画 アカデミー賞受賞」(2009年2月24日) | 「おくりびと」のように、人気マンガやベストセラー小説に頼らない独創的な作品が増え、社会や現実の生活、家族を見つめた表現が注目されています。貼り・ビジネスだけに目を奪われない・若手監督や脚本家を育てる映画ビジネスだけに目を奪われず、地味だけれど心に訴えるかける映画を作る監督や脚本家を育てることも大切だと思います。映画が成功するかどうか、その6〜7割は脚本で決まると言われています。監督や脚本家がシナリオを十分に練り上げていける環境をどう作るか。そういう一見地味な作業にこそ、長い目で見た支援と理解が必要ではないでしょうか。 |
大高宏雄(文化通信 特別編集委員コラム) | 大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.7(2010年11月16日) | 昨今の邦画の作られ方は、極端にマーケッティング主導になっている。その際、テレビ局主導の人気テレビドラマの映画化が、一番手っとり早いものとして企画、製作の土俵に登る。もちろん、こうした製作のあり方に、私は文句をつけることはない。ただ、それが主流になり、他の斬新でユニークな企画が立てられづらくなるのが、映画界にとって非常にマイナスになるのである、(中略)ある種の作品が作られづらい今の"風潮"のなかに、「悪人」の企画を投げ込んでみると、それがいかにマーケティング主導の製作志向に挑戦的な中身であったか |
山口ゆかり(シネマトゥデイ) | ベルリン映画祭フォーラム部門に多数の日本映画選出!ヨーロッパでは日本映画ブーム?(2010年1月20日) | 山田洋次監督の映画『おとうと』が第60回ベルリン国際映画祭のクロージングに決定したが、今年は例年になく日本映画の上映が多い。フォーラム部門上映作品も発表され、多数の日本映画が選出されたことがわかった。時代を敏感に反映した作品を世に送り出してきたフォーラム部門も今年が40回目となる。この記念すべき年のメインの34本には、大森立嗣監督『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、SABU監督『蟹工船』、石井裕也監督『川の底からこんにちは』の3本の日本映画のほか、日韓共同制作のドキュメンタリー映画、ヤン・ヨンヒ監督『ソナ、モウ ヒトリ ノ ワタシ』も選出。 |
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文化通信社社長・指田洋のコラム(文化通信) | 時代劇はブームなのか?(2010年10月15日) | 工藤栄一監督の傑作を三池崇史監督がリメイクした「十三人の刺客」や男女逆転をキャッチフレーズにした「大奥」がヒット中だ。今後も、東映配給「桜田門外の変」をはじめ、東宝配給「雷桜」、「武士の家計簿」、ワーナー映画配給「最後の忠臣蔵」が控えており、上半期に公開された「花のあと」、「必死剣鳥刺し」を含めると、今年(2010年)7本の時代劇が公開されることになり、昨年(09年)の3本(「カムイ外伝」「GOEMON」「BALLAD 名もなき恋のうた」)、08年の2本(「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」)を超え、ここ数年では最も多い本数となっている。夫婦50割の定着など今の日本映画界は50歳以上の年輩者が支えていると言ってよく、時代劇が増るのも必然と言えるかもしれない。 |
伊藤剛(グッドニュース・ジャパン) | 日本映画の時代劇ブーム?(2010年10月25日) | 『大奥』や『十三人の刺客』『桜田門外の変』『武士の家計簿』など日本映画は、時代劇ブームのようです。なぜ、お金のかかる時代劇なのか?と思いますが、中高年が観る映画が少ないのが原因のひとつであることは間違いがなさそうです。 |
ハリウッドチャンネル | 2010年下半期に本格時代劇の公開ラッシュが相次ぐのはなぜ?(2010年7月5日) | 「そもそも、時代劇は若者がメインターゲットではなく、年輩者向けという感覚がありました。ですが、シネコンの普及によって劇場に若者の姿が増え、時代劇にも若者をメインとする作品も出てきた。しかし、完全に若者ターゲットの作品と比べると、時代劇はセットや衣装等、制作費がかかるわりに、爆発的なヒットとはいかず、コストパフォーマンスがイマイチ。だったら、大人ターゲットの本格的時代劇にしたほうが、目の肥えた時代劇ファンや原作ファンを呼び戻せ、新たなファン層の開拓、リピートにも繋がりやすい。DVDやBlu-rayの売上も期待できるんです」 |
藤沢周平文学が次々と映画化される理由と、ロケ地協力
「たそがれ清兵衛」、「隠し剣鬼の爪」、「蝉しぐれ」、「武士の一分」、「山桜」、「花のあと」、「必死剣鳥刺し」と、作家・藤沢周平の小説が次々と映画化されている。2011年7月には「小川の辺」の公開も決定。メーンロケ地となった山形市鶴岡市周辺には、県内外から多くの観光客が訪れ、オープンセットや映画撮影時の写真などを展示した資料館が人気を集めるなど、ロケ地への経済効果をもたらしている。
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荻原恵美(産業タイムス) | 「庄内藩14万石の城下町・鶴岡と藤沢周平ブーム」(2009年2月3日) | 藤沢周平の小説が生まれた街の背景を思いながら、少し雪の残る鶴岡公園内の神社やお堀を眺めると、思わずタイムスリップする。同氏の小説は、テレビや映画、舞台などで演じられ広く知られるが、鶴岡市を流れる川や建物なども名を変え登場しているという。ロケ地めぐりは、たそがれ清兵衛、隠し剣鬼の爪、蝉しぐれなどが紹介され、観光案内板は作品ゆかりの18カ所ほどに建てられている地元へ客足を呼び戻すための施策として、商店街の活性化のほか、鶴岡公園内の藤沢周平記念館建設、アートフォーラムや文化・映画村の整備が上がっており、既存の映画村に撮影スタジオ、貸しスタジオを有する、シネコンを整備することも決定している。 |
遊々素適 | なぜ今?藤沢周平(2007年3月16日) | 「人は環境と、経済と便利さをどこかで引き替えにして居るものと思いますが、心まで引き替えると寂しさだけしか残りません。」これは、先日、私のブログに、ある方がコメントに書いてくださったもの1部です。正に、この思いを、現代に生きる多くの人達が感じているのではないでしょうか。経済成長の中で、大切なものを見失ってしまっているのかも知れません。それを、なんとなく人は気づき始めていて、どこかに忘れてきたものを、見えなくなってしまったものを、この藤沢周平の作品の中に見出そうとしているのかもしれません。 |
@KOBAのムービー!ムービー! | 『山桜』藤沢周平なぜもてる(2010年3月14日) | 日本映画は原作に長編を持ってきて、原作の良い所だけ映像化して映画化しました!みたいな傾向がありましたけど、短編を脚色して映画化!っていうのはアメリカ的で良いかも!長編を原作に映画化しても、映画として面白ければ全然良いんですけどね…。でも、藤沢周平の作品が原作で映画化して受けているっていうことは、時代劇を観る映画ファンは高齢化しているんでしょうね。 |
東山紀之(cinemacafe.net) | 東山紀之 藤沢周平が描く家族の姿から「多くの発見と気づきがあった」(2011年6月7日) | 「藤沢先生の作品には、家族の愛が多く含まれていて、発見や気づかされることが多いです。今回の震災で、目が覚めたところもありました。ごくごく普通のことが幸せで、ちょっとの幸せを大切にしていきたいと改めて感じました」 |
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ヌーヴェルヴァーグ
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「全米No1の映画に食傷気味なあなたへ」(2010年12月2日)
アメコミ原作映画
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映画料金
TOHOシネマズが来春から映画料金を1500円に値下げすることを発表した(2011年1月19日付
朝日新聞)
映画盗撮防止法、著作権法がある。
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2009年
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